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中華系シンガポール人にとっての中国語(マンダリン)- 若い世代では実は自信ない?

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こんにちは、マサヒロです。

諸事情で現在帰国中ですが、7月まで約3年間、シンガポールの外資で働いていました。

シンガポールは人口の約7割が中華系の国。シンガポールに住み始めたなら、これを期に英語だけでなく中国語も学んでみよう!と考える方も少なくないはず。

僕はとても「中国語ができる」と言えるレベルではありませんが、当地で多くの中華系の同僚(シンガポール人/マレーシア人/台湾人)と一緒に働き、休み時間等に中国語を教えてもらってきたことで「シンガポール人にとっての中国語」が当初イメージしていたのとはだいぶ違うことがわかってきました。

今回は

  • シンガポールで使われている中国語ってどんな特徴があるの?
  • シンガポールで働く/暮らすには中国語ができないとダメ?
  • 中華系シンガポール人にとっては英語と中国語、どちらが楽なの?
  • シンガポールで中国語を学ぶには?

といった疑問にお答えしていきます。

<目次>

  1. シンガポールで話される中国語はマンダリン、表記(文字)は簡体字
  2. 実はシンガポール人も中国語が苦手!? - 若い世代では英語(&シングリッシュ)がメイン
  3. シンガポールで働く/暮らすには中国語ができないとダメ?
  4. シンガポールで中国語を学ぶには
  5. 余談: こうした言語のウンチクが好きな人は是非「虐殺器官」(SF小説)を読もう

といった順で進めていきます。

シンガポールで話される中国語はマンダリン、表記(文字)は簡体字


シンガポールで話されている中国語はいわゆる北京語、マンダリンです。

広大な中国では北京語の他にも多くの言語が話されていますが、日本で一般的に「中国語」と呼ばれる言葉がこのマンダリンです。

そして、中国語の表記(文字)には、日本で使われている漢字に近い繁体字(Traditional Chinese)と、それが簡略化されている簡体字(Simplified Chinese)がありますが、シンガポールで用いられているのは簡体字の方です

といっても、シンガポールの建国当初からこのように統一されていたわけではなく、現在でも年配の方の中には福建語や広東語といった中国方言しか話せない人も存在します。

現在に至る中華系シンガポール人の使用言語の変遷にご興味のある方には↑にもリンクを張ってある物語シンガポールの歴史が読みやすく詳しいのでオススメです。

ちなみに繁体字(Traditional Chinese)が使われているご近所の国としては台湾が挙げられます。

初めての海外旅行にオススメの台湾 台北旅行- 言語、プラグ、夜市、千と千尋の九份、故宮博物館、ポケモンGO事情、スタバグッズetc

実はシンガポール人も中国語が苦手!? - 若い世代では英語(&シングリッシュ)がメイン

シンガポールで暮らしていると、そこかしこで中国語の会話が耳に入り、中国語簡体字で書かれた看板やメニューが街中に溢れ、旧正月(Chinese New Year)も盛大に祝われます。

English Nameを使う人も多いとはいえ、中華系シンガポール人の本名は中国人のそれです。何より、ほんの数世代前の祖父母や曽祖父母が中華系で、中国語環境・中国文化の中で育つのですから、いくら現在の学校教育が英語で行われているとはいえ、当然、若い世代でも中国語でのコミュニケーションが最も自然で楽なのだと思っていました。

これは、シンガポールに来る前に持っていた先入観の中で一番の間違いでした。

というのも、これまでに何人ものシンガポール人(20代&30代)に「一番ラクで自然な言語はどれ?」と質問しましたが、

100%の確率で「英語が一番ラクで自然。だって学校では全部英語だったから

という回答が戻ってきました。実際、シンガポール人の同僚について中華系マレーシア人の同僚が「あいつの中国語は下手」なんて言っている場面や、同じ中華系同士なのに、シンガポール人がマレーシア人に仕事の相談を全て英語でしている場面等を頻繁に目にしました。また、シンガポール人が「中国人や台湾人の早口の会話はよくわからないことも少なくない」と漏らしていました。

なかでも特に衝撃的だったのは、部署で新たな業務が追加されるため、同じチームのシンガポール人の同僚数名と、とある研修に参加していた時のできごと。

研修担当者から、英語でのやりとりを前提にした説明が続いた後「ここまでで何か質問はありますか?」と聞かれたので、僕が「この業務の中では中国語や日本語でのメールのやりとりは発生しないのですか?」と質問しました。

「英語の他に日本語と中国語と...でも対応します。」との答えでした。忘れられないのはこの直後。研修担当者の「この中で、中国語のメールのやりとりができる人は挙手してもらえますか?」という質問に対する反応。

なんと、誰一人、挙手しませんでした。(※普段、皆こういう場面では正直に挙手しています)

どうして僕が驚いたかというと、皆いつも中華系同士で中国語でペラペラ会話しているのに「メールでのやりとりができない」と答えたからです。

曰く「普通の会話なら問題ないけど、フォーマルなビジネスのやりとりとなると自信ない」とのこと。

ただ、ここで先入観を捨てて考えてみると、確かにそれも納得なのです。

例えば↑の記事。多民族国家であるシンガポールの教育環境、ビジネス環境での主要言語は英語です。日常的に英語に触れる機会の方が多いのですから、ルーツがどうであれ、子供時代から英語を中心に言語能力が発達することに不思議はありません。実際、↑の記事ではむしろ母語(中国語)の発達状況が懸念されています。

さらにこれには学術的な裏付けもあるのです。

↑「言ってはいけない」より。

アメリカで移民の子供たちは、両親の言語ではなく英語(現地語)を流暢に話すようになり、母語での読み書きは忘れてしまうことが多く、両親との会話にも英語を用いるようになることが知られています。しかも、英語での学校教育を受ける前からこの現象は始まります。

実は、これは行動遺伝学の知見から見てとても奇妙なことなのです。アメリカだけの例外ではなく、どこの国の移民でも同じ現象が見られます。宗教や味覚等は両親のそれを直接受け継ぐことが多いにもかかわらず、言語に関してだけは、子供たちは現地語を最優先で覚えるのです。

この奇妙な現象については進化適応環境の観点から、授乳期を終えた子供は両親よりも兄姉や少し年上の子供と過ごすことが多く(親は次の子供の世話に移っているため)、自分の世話をしてくれる彼らとのコミュニケーションこそが両親とのそれよりも遥かに優先されたため、と説明されています。

日本語ばかりの日本で暮らしていると今一つ想像しにくいかもしれませんが、以前ご紹介したシンガポールが舞台の映画イロイロでも、主人公のジャールーが、母語であるはずの中国語の学習に苦労する一方で、学校でもメイドとの会話でも英語で自然にコミュニケーションする姿が描かれています。

シンガポール人の生活の様子がよく分かる映画 - イロイロ ぬくもりの記憶

ちなみに現在、中華系シンガポール人の場合、いくら苦手意識があっても「中国語を学ばない」という選択肢はほぼありません。

英語ができれば生活でも仕事でも困らないのだから不要ではないかとお思いかもしれませんが、実は1979年から母語(※第二言語という扱い)の試験に合格することが高校入学の条件になっているのです。

超学歴社会であるシンガポールで、高校に入学できないのは文字通り死活問題ですから、勉強しないわけにはいかないんですね。。なので、本当に「全く中国語のわからない中華系シンガポール人」はほぼいません。

まあ、英語が第一言語と言っても、シンガポール人同士ではもっぱらシングリッシュと呼ばれるシンガポール英語が用いられるのですが。。シングリッシュの特徴については以前に↓の記事にまとめましたのでご参照ください。

シンガポールの英語はシングリッシュLah!

シンガポールで働く/暮らすには中国語ができないとダメ?

結論として、シンガポールで働く/暮らす上で、中国語は必須ではありません

だって、シンガポールは多民族国家なんですよ?確かに中華系国民が7割を占めるとはいえ、マレー系やインド系で中国語を全く話さない国民だってたくさんいるんです。生活や仕事をする上で必須のハズがありません。実際、僕は中国語が全くわからない状態でシンガポールで働き始めましたが、中国語がわからないことが理由で深刻に困るような事態は一度もありませんでした(疎外感はよく覚えますが..)。

例えば、シンガポールのホーカー(屋台街)では中国語が飛び交っていますが、英語での注文が通じなかったことは一度もありません。

シンガポールのホーカー(屋台)ってどんなの? - 料理の種類、値段、栄養面、衛生面etc

ただ、他のどの国でも同じように現地語や現地の主要言語を積極的に覚えて使おうとすると、向こうからも好意を持ってもらえることが多いです。コミュニケーションの良いきっかけにもなりますし、少しずつでも街中の看板や会話が分かるようにりるのは楽しいものです。

むしろ必須なのはいうまでもなく英語です。

駐在員の配偶者のように、現地で働くわけではない立場の人であっても、病院や警察に行くような緊急事態には全て英語で対応しなければなりません。

シンガポールでiPhoneを盗難に遭って戻ってきた体験談 - シンガポールの治安、警察etc

なので、優先順位としては

  1. 英語ができない人、苦手な人はとにかく英語が最優先
  2. 英語に不安がない、困っていない人で意欲がある場合は中国語orシングリッシュ

というのが働く上でも、生活する上でも実際的だと思います。

シンガポールで中国語を学ぶには

上述のように、シンガポールでは中国語より英語が最優先なわけですが、既に英語に不安がない方や、特に中国語を使う必要に迫られる環境にいる方、中華系の同僚や友人との話の種にしたいという方もいらっしゃるでしょう。

独学するための書籍は例えば紀伊国屋で購入できます。シンガポールでもブギス等にありますね。僕は入門書を紀伊国屋で購入して、文法や単語を独学しながら、会社の昼休みに同僚に発音や作文をチェックしてもらう、という学習方法を採用していました。

ただ、中国語には、日本語にも英語にもない音があり、日本人には非常に発音の難しい音が存在しますので、一定レベル以上を目指す場合、純粋な独学は困難だと思います。そういった場合にはシンガポールにもたくさんある中国語学校に通った方が良いでしょう。

また、辞書を買う際には繁体字と簡体字で別れていたりするので、間違えないように気をつけましょう。シンガポールで使われいるのは簡体字ですよ。

余談: こういう言語のウンチクが好きな人は是非「虐殺器官」(SF小説)を読もう

余談ですが、こうした言語のウンチクが好きな人に心の底からおすすめしたいSF小説が虐殺器官です。

夢も希望もない、言語ウンチク満載の傑作SFです。

全く救いのないストーリーで「幸福」の最終解を示したハーモニー と併せて、是非。

まとめ

  • シンガポールの中国語はマンダリン(北京語)で、表記は簡体字
  • 実は若い世代の中華系シンガポール人は中国語に苦手意識がある
  • シンガポールで生活する上では中国語より英語が遥かに重要
  • シンガポールで中国語を学びたいなら紀伊国屋等で参考書を入手できるが、純粋な独学は困難

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